心理的安全性。
Googleの「プロジェクト・アリストテレス」の結果から、その認知度が一気に高まった言葉です。
しかし誤解の多い言葉でもあります。
職場における心理的安全性とは、決して「和気あいあいとした、居心地の良い関係性」のことではありません。
「成果へのコミットがあり、そのためのリスクある発言や行動が取れる」といった状態を指すものです。
下表は石井遼介さんによる区分でとてもイメージしやすいですね。
多くの企業様に関わる中で、この心理的安全性がエンゲージメントに強く影響している組織が複数あります。
会議でリーダー層が押し黙っていたり、現場のミスが上がって来なかったり、アイデアを出す場面でさえも遠慮が働いていたり、陰口が横行していたり。。
では、どうやって心理的安全性を上げていくのか。
それには次の両面からのアプローチが必要です。
1つは、受けて側。
多様な意見や行動を受容する、受け取る力を育てていくこと。
特に上層部、管理職の力が問われます。
もう一つは、発信側。
リスクを取ってでも発言・行動しようとするトレーニングが必要です。
こちらはどちらかというと、管理職以下の訓練になります。
このどちらか一方が欠けても心理的安全性は高まりません。
先日、ある保育所の先生から相談を受けました。
女性ばかりの職場の中で、主任の先生に気を遣って、上も下も本来の動きができていない状況になっているとのこと。
一見すると、 その先生が変わればこの組織は良くなりそうですが、本質はそうではありません。主任の先生の横行を許しているトップと、声を上げることができないメンバーにもその責任があります。
本当に心理的安全性を作ろうとすると、組織全体の関係性を見直す必要が出てきます。
それは多くの場合、一時的な混乱を招きますが、現在生じている弊害を考えると実行する価値はあります。
そして、組織の組織が変わる時はトップから変わっていきます。
保育園の場合だと、園長もしくは理事。
その意識と関わりが変わることで下はおのずと変わってきます
私も日々、「他人は変えようと思って変わるものではない」と言うことを肝に銘じて動いています。
人が変わるとしたら、それは私の在り方と関わりが変わった影響でしかないのですよね。
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