リモートワーク下でのエンゲージメント維持のポイント

2020年12月1日 in ALL, BUSINESS, COLUMN

コロナ第3波が拡大する中、一旦出勤制限を緩和していた企業でも再びリモートワークを推奨する流れとなっています。また、家族の職場や学校など近くに感染者が出た場合に、止むを得ずリモートとなる事態も増えています。

今回のテーマ「リモートワーク下でのエンゲージメント維持」つまり「職場から離れている状態で いかに 社員の仕事や組織に前向きな気持ちを維持するか」は春以来検討されてきたものかと思いますが、今日は改めて「マズローの欲求5段階説」の切り口から書いてみたいと思います。

【マズローの欲求五段階説とは

アメリカの心理学者アブハム・マズローが唱えた説で、「人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると より高次の階層の欲求を欲する」というもの。

 
この説は逆に言うと、「低階層の欲求が満たされない状態では高次の階層へは進化しにくい」ということを意味しています。

この観点から、リモートワークでのエンゲージメント維持のステップを以下のように整理しました。

流れとしては、下から3つめの階層から一つずつ、つまり「社会的欲求(所属の欲求)→ 承認欲求 → 自己実現欲求」という流れで各欲求を一定満たしていく意識で取り組みを進めます。
 
ただし、「完全に満たす」というよりも「一定満たす、必要程度満たす」という感覚で良いです。また、「満たしたと思ってけれど やはり足りなかった」と戻ってくることも多々あり、その試行錯誤で大丈夫です。

1 社会的欲求(所属の欲求)を満たす 
 
リモート下で意欲が低下するとき、それは往往にして”孤独感”を持ったときです。逆に、リモート下でも”つながり感”を持って仕事ができている人には下のような特徴があります。

・誰かに気にかけてもらっている、相談できる
・他のメンバーの様子や会社の動きを知っている
・自分の仕事が全体の中でどこに繋がるかがわかっている

つまり、「自分の存在や やっている仕事が、ちゃんとどこかに繋がっている」という体感を持てているのです。

この状況を作っていくためににできることとして、オンライン上での
朝礼、チャットワークでのやりとり、日報の共有、上司からの発信、1on1、オフ会

などがあります。

この話をすると、上司の皆さんの中には「与えられるのを待つのではなくて、自分で取りに来てほしい」とおっしゃる方もいます。お気持ちはとてもわかります。
ただ、これは発言に遠慮がある若手にはなかなか難しく、最初はこちらから与える中で「いつでも訊いてね」と伝えることが有効です。

2 承認欲求を満たす
 
この承認欲求については、リモートでなくても満たされていない社員が多いように感じます。「承認する文化がない、褒めベタ」ということもありますし、「承認欲求が強すぎる」ということもあります。
特に若手は「承認される」ことが意欲に直結しやすく、認められない、反応がないことで意欲を失いがちです。
この部分の根本解決は後日書きますが、今日はリモートでの対処法です。

こちらはシンプルで、1に書いたようなコミュニケーションの中に 意識して
「できていること、貢献を具体的に言葉にして伝える」
を加えてください。
本来なら「存在そのもの」を承認できると強いです。

承認についても、「褒められなくても仕事するのが当たり前」とおっしゃる上司も理ますが、特に若手についてはやはり、承認なく要求ばかりすると疲弊していきますね。

3 自己実現欲求を満たす

この段階は、自分の中から湧いて出てくる「内発的動機」を満たすレベルになってきます。
 
下位の欲求が満たされると自分で目的意識を持ち、それに向かっていける人もいます。自ら仕事の意味を見出し、自己管理で仕事を進めていける人です。
が、そうでない場合も多いので、そこは周囲のサポートが有効です。

具体的には、1on1やオンライン研修の中でキャリアコンサルティングの要素を取り入れれるのがおすすめです。

まず、それぞれの「やりがいを感じること、価値観、今後実現したいこと」を言語化していくこと。そしてそれを「目の前の仕事」と繋げて考えてもらうこと。できれば数年後の自分の姿を描いてもらうこと。
そうすることで、中期的な視点から今の仕事を捉えられるようになり、成長実感や今後やりたいことに繋がる感覚が持てるようになります。

上司がうまく進められない時は、キャリアコンサルタントの力を借りても良いと思います。

ここまで、リモート下でのエンゲージメント維持対策を書いてきましたが、あなたの職場で取り入れられそうなことはあったでしょうか?
 
弊社も若手からリーダー、マネージャー層の育成をお手伝いしていますが、そこで感じることは「特に若手に関しては、支援と自立のバランスが大切」ということです。過保護でもなく、放任でもなく。
 
その点でアドラー心理学の考え方は非常に有益ですので、次回以降 ”アドラー流”の人材育成のポイントを書きたいと思います。

 
 
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